MC 時刻は午後7時になりました。毎月第1、第3土曜日のこの7時台は荒川デザイン・クリエイティブジャムをお送りいたします。今週は第一土曜日なので、「傍らに映画を」をお送りします。この番組は株式会社アンノウの提供でお送りいたします。
荒川 よろしくお願いしまーす。荒川デザインの荒川サトシです。第一弾に引き続き、星井さんです。
星井 よろしくお願いしまーす。宇都宮メディアアーツ専門学校の星井と申します。よろしくお願いしまーす。
2018.5.5
ARAKAWA DESIGN CREATIVE JAM
ARCHIVE #13
2018年5月5日のADCJ第13回は、「傍らに映画を」を放送しました。星井さん、中村さんと共に、人生がハッピーなる2本の映画をピックアップして語り合いました。
荒川 このラジオ番組の説明をしますね。荒川デザイン・クリエイティブジャムは、クリエイティブを声で伝えたい。普段視覚とかビジュアル的なものを(デザインで)作ってるんですが、(ラジオでは)声だけで表現してお伝えしたいな、という企画でやっています。普段はゲストを呼んでゲストトークをしてるんですけど、月2回になったので、趣向をかえて、レギュラーメンバーの番組をやりたいなーと思って。映画をモチーフにして、映画の紹介もするんですけど、見た感想や捉え方だったりを伝えられたらいいなと思っています。「傍らに映画を」第2回の放送です。
荒川 毎回、質問とかメッセージを募集してるんですけど、中々こないんですよ。Facebookにもアクセスがないし。皆さん聴いてないのかな?シャイなのかな?
MC ちょっと敷居が高いのかな?
星井 高いんですかね?
MC いや、そう考えざるを得ないんじゃないかな。(笑)
星井 おー!?そう来たか!?(笑)
荒川 こういうテーマを(リスナーさんに)振ったらメッセージを送りますよというのもありましたらメッセージお願いします。
星井 紹介した映画の感想とか、前回の感想とかでもいいですよ。
荒川 「『耳をすませば』のスタッフロール見ましたよ!」とか本当に聞きたいです!ミヤラジアプリからメッセージをお送りいただくか、メールだと773@miyaradi.com、あとは、荒川デザイン・クリエイティブジャムのFacebookにメッセージをもらえれば随時チェックしますので、お待ちしてまーす。
荒川 今回は第二弾ということで、また2本映画を紹介します。「イエスマン」と「アバウト・タイム」です。(今回この映画を)紹介するにあたって、伝えたいこと、テーマがあって…。人間は生きて生活していて、生きることとか死ぬこととかあんまり考えないで生きてる。死ぬことを意識すると日常生活ができないので、無意識に「死ぬ」「死んじゃうな」っていうのを意識しないで生活してるから日常生活を送れるんですけど、ちょっと死や生を意識したりすると、同じ日常でもちょっとキラキラ輝いて見えるんじゃないかなーと思って。そういうきっかけを与えてくれる作品です。なかなか頭で分かっていてもイメージがつきにくいので、映画の演出だったり、サイエンスフィクション(作り話を本当にそういう表現したり)などで、伝えられる2本になっています。
星井 一応洋画2作なんですけど、この映画を通して人生がハッピーになるんじゃないかとか、いろんな価値観に浸って「こういう捉え方もあってもいいんじゃないかなー」と思って選ばせていただきました。どちらもすごくいい作品なので、ぜひぜひ観てもらいたいなーと思います。
星井 まず最初は「イエスマン」。こちらはジム・キャリーが主演になっています。「マスク」とか「トゥルーマン・ショー」とかに出演され、結構有名なコメディアンだったりするんですけど。その方が、最初はネガティブで、奥さんとも別れて、銀行員なんですが、ちょっとなだれてしまってる生活の中で、ある人物に出会ってからポジティブに変わっていって、ヒューマンドラマになってくるんです。格好いい大人になっていくみたいな感じになるんです。人間としてだんだん味が出てくる。そこでキーワードが出てくるのが、「全てにイエスと答える」ということ。
MC あー、それでイエスマンなんですね。
星井 そうなんです。何でも「ノー」って言ってた人間がある日の夜から「イエス!」って全部答えていくんです。
MC それキツイですね!?何でそんなことに?
星井 最初のネタバレになってしまうんですが、とあるホームレスに会うんです。その「イエス」と答えないといけないところから。夜中にそのホームレスに会ったら、「お前の車に乗せてくれ」って言われて「イエス」と言わないといけなくなるんです。それで、そこから「公園に送っていけ」と言われ「イエス」。「お前の携帯貸してくれ」と言われ「イエス」。(笑)そういったイエスマンの人がこれからどうなるのか?というストーリーで2時間くらいの映画になります。この映画を観てから、自分もイエスマンになってみようかな、って思う部分が一瞬出るんです。
MC あ!そう思わせるような部分が映画にあるんですね?
星井 そうなんです。ホントにジム・キャリーが根暗だったのに変わるんですね。「いいよ!」「やっちゃおうよ!」みたいなキャラクターが出来上がって。でもある瞬間につまずくんです。「これでいいのかな?」って。そんな時に、自分がどうやったらイエスと言うのか、どこまでをイエスと言わないといけないのか?ノーのラインはどこなのか?…ということを考えさせられる映画なんです。
MC イエスとノーの意味を深く考えるようになっていくんですね?
星井 そうなんです。全部をイエスと答えなくていいんだよって言ってるんですよ、最初から。(笑)でもジム・キャリーは全部イエスって言っちゃうんです。(笑)
MC それは成功体験があるんでしょ?だから(イエスと)言おうとするんでしょ?
星井 何でも(イエスって言うと)上手くいってたしって言うけれど、全部にハイハイ答えてたらツケが回ってきちゃうんです。それって生活の中でもマッチングするな−って。八方美人とか言われちゃったりするじゃないですか。それをどこで「私はやりません」って言わなきゃいけないのかっていう瞬間を考える映画です。
MC 少し話を戻しますが、イエスマンになるまではジム・キャリーはどんな性格だったんですか?
星井 部屋の中を真っ暗にして、映画をひらすら観るんです、DVDばっかり。レンタルショップで映画を借りるシーンがあるんですけど、タイトルも見ずに映画ばっかり借りるんです。それで、親友の友達からの連絡も拒否。誰にも会いたくない。「俺を一人にしてくれ」っていう感じです。
MC そういう人が「イエス」を連呼していったら劇的に変わっちゃうんでしょ?よっぽどの成功体験というか幸せ感があったんですかね?
星井 (イエスと言った)一回目が「やるしかない」という感じだったので、そこから進んでいった感じです。まぁ、(ストーリーの中で)新しい恋人、恋愛の存在があるんですけど、女の子との関わりも「イエス」と言ってから始まったから余計に失いたくないことなんですよ。
MC それがインパクト大きかったでしょうね。女性(の存在)と、成功(の体験)というのは男にとってはインパクト大きいですからね。
星井 やっぱり男女間の成り立ちがあるから余計に(この映画が)いいなーと思います。
荒川 一番最初のホームレスのくだりのところも、最後、何だかんだで、(主人公が)女性とキスできるんです。それがきっかけで、イエスを言うといいことがあると思って「イエス」と言うようになる。それまでは散々なんです。お金も取られて、携帯も取られて…。
星井 イエスと言ったらいい事が降りかかってくるんじゃないかっていうことになるんですが、それはまだ甘くて、私達はどこまでイエスと言えばいいんだろうなーと考えさせられます。
MC でも、映画の世界だけじゃなくて、私達の日常生活でも、ちょっと参考にできそうな要素があるよね?
星井 そうなんです。あとは、気分が落ち込んだ時にはこの映画必ず観ますね。この5月病の中に観ると絶対いい映画かな、と思います。
MC 何回くらい観たんですか?
星井 もう10回以上観ていて…。(笑)
荒川 中村さんも今日はちょっとテンションが低い…。
MC そうなんです。ちょっと疲れが溜まってて…。(笑)このあとまだまだ(仕事が)続くんで…。
星井 じゃあ絶対(この映画)観たほうがいいですよ。そんな人にオススメ!「仕事なんてどうでもいいや−」みたいな感じになりますよね、一瞬。
荒川 なります、なります。映画の作中だと、最初は何でもかんでも仕事でもイエスイエスって言ってたことが、最初は「あ、何でも考えずにイエスって言ってたらダメかな?」と思うんですけど、結果、よかったりするんです。それって、人間がなにかやろうとした時に、得意な事とか出来る事とか分かる事は肯定的にイエスって捉えるんですけど、やったことない事とか誰も知らない事とか不安がある事っていうのは拒否したりノーって言いがちなんです。それをイエスマンの場合は全部肯定的にイエスイエスって言うことによって、結果、人生のチャレンジみたいなことに積み重なっていって、経験値も増えるんですよ。
荒川 「韓国語講座やりませんか?」っていうチラシが貼ってあって、「イエス!」って言いながらとる、ギター講座も「イエス!」って学びに行くわけです。一つ一つはただ習った事だけなんですけど、それが後々、韓国語が効果を発揮するシーンがあったり、ギターを習ったおかげであることが奇跡的に起きたりっていうことがあるんです。通常、我々が生活している中でも「これはムダかなー」と思ってやらないでいることも、もしかしたら後々、(やらなかったことで)損することもあるんじゃないかなーと思って…。目先の損得だけで判断したり行動したりするのもいいのかなーていう気にもなるので、(映画を観たあとの)行動パターンもちょっと変わります。
星井 「とりあえずやってみるか」ってね。
荒川 「今まで電話しなかった人に電話しようかな」ってなるくらい、背中を押してくれます。
MC でも真実がそこにあるような気がしますね。なんでもチャレンジするっていいことですよね。
星井 可愛いなって思った彼女に再開するのも、普段行かないバンドのライブに行ったら(彼女が)いたんですよ。自分がキスした女の子がいて再会できて、仲良くなっていく。何か足が出ていかない人も、何でも「イエス」って言ってやってみるのもありなんじゃないかなって思います。自分も(考え方が)変わりました。
荒川 (映画の中の世界だけど、自分も映画をみていると)共感するようになってくるんです。(映画を観終わったら)やろう!ってね。
MC 人との出会いもそんな風な気がしますよね。
星井 私25歳なんですけど、23歳の時に「イエスマン」の映画に出会ったんですね。そこから、今までやったことないことをやってみようっていう気持ちになって、普段話さない人と話そうと思ったら荒川デザインの荒川さんと話すようになって…。(笑)
MC あら!じゃあ「イエスマン」のおかげですね!
荒川 ラジオもそうなんだよね?
星井 そう、ラジオもやったことなかったから…、そうしたら中村さんと出会うこともなかったですよね。
荒川 「この人どういう人かな?」って思うと中々話さなかったり心を開かなかったりしますけど、それが自分の脳みそをロックしてることだったりする。
星井 この映画の一番いいところは、気軽に観れるところですね。ヒューマンドラマって重たくて観るのしんどいなって思うんですけど、これは爽快コメディー、ラブコメディー。
荒川 最後までスカッとしてるんですよ。面白いんです。
星井 脚本がいいんですよね、たぶん。シナリオとかもきれいにできてて。
荒川 最初から最後まで間延びしないというか、同じようなことをやっているんですけど厚みがどんどん増していって、成長っぷりも垣間見えて面白い。真面目すぎないし。
MC これいい映画ですね。帰りにツタヤ寄って帰ろうかな。
星井 高評価ですね!
MC これ(この映画)は第三者的にも点数高いです。
星井 よかった〜!
荒川 ヤッター!
荒川 (1本目の映画がかなり気に入っていただけたようですが、)中村さんの怪獣コーナーの紹介も(この番組で)後々作ってもいいかなーと思って。
MC 怪獣大好きなんで、ぜひ。(笑)
荒川 今月の怪獣は?みたいな…。(笑)
MC それ、リスナーの中にファンが結構いらっしゃるそうです。
星井 怪獣全然わからない…。
荒川 どこから観ていいのかわからないじゃないですか。ゴジラは分かりますけど、そのまわりのやつ(映画)って分からない。ゴジラやアベンジャーズの観る順番みたいな…。
星井 昔の映画も面白いですよね。
MC そうなんですよね。昔の東宝映画なんて、総天然色っていう感じの。モスラとか!モスラの話していいですか?「イエスマン」からモスラの話していいですか?モスラは総天然色、カラーが。モスラの卵が南方からずーっと嵐の波にのって日本の海に来るんです。それを漁師たちが、商売にしようと(卵を)船に乗って持ってくるんです。すると、それを悪い奴が目をつけて、見せ物にして儲けようということで人間の企みがだんだん出てくるんです。それと、モスラっていう人間に優しい怪獣っていうところ。あと、歌は「ザ・ピーナッツ」。知ってる?歌?「モスラ〜や モスラ〜」(笑)
星井 楽しそうだなー!(笑)よかった!聞いたことありますね!
MC 以上です。(笑)あんまり(怪獣の話で)時間とっちゃうとダメなので…。
荒川・星井 (笑)
星井 でも、いつかは怪獣(映画の)回は(この番組の中で)やりたいですよね。
MC ぜひともお願いします。それでは、この時間の一曲目いきたいと思います。星野源で「ギャグ」。
MC 時刻は午後7時27分をまわりました。毎週第1、第3土曜日のこの時間は荒川デザイン・クリエイティブジャムをお送りしております。この番組は、新たに人とモノと文化のポータルポイント事業を展開していきます、ロジスティクスカンパニー。株式会社アンノウの提供でお送りいたしております。ただいまの曲は星野源で「ギャグ」を聴いていただきました。
荒川 ありがとうございます。(この曲は)歌詞に「ギャグの隙間に 本当の事を祈るみたいに隠して」っていう歌詞があるんです。この映画の主題歌ではないんですが、毎回この映画に合う曲を持って来てるんです。あと、「見えない自分の殻を飛び越えて 弱さ飛び越えて」っていう歌詞があるんです。まさにイエスマンが最初は「ノー」と言ってた自分を「イエス」って言うことで殻を破って、本当の自分、新しい自分になるという意味で、「ギャグ」というこの歌がぴったりだなーと思って(選ばせていただきました)。
星井 星野源サイコー!
荒川 ノリもいいし。
MC 説明を聞くと荒川さんがこの曲を選んだ意図が分かってぐっと伝わってきますね。
荒川 この曲も、星野源さんが病気されて、その後リリースされた曲だったりするんです。
星井 そうですね、くも膜下出血になったって…。
荒川 それと、普段はアレンジも全部自分でされてるんですけど、この曲はアレンジが別の人で、アルバムにも入ってない、こだわりもある曲なんです。
荒川 続いて2作目です。さっきの1作目は人生を楽しむコツみたいなものが気づける作品だったんですが、2作目の「アバウト・タイム」は、日常を大切にしたくなる映画なんです。
星井 こちらの映画は恋愛映画になってるんですけど、恋愛映画だけじゃなかった、っていうのが最初のオチです。こちらの映画は前回のラジオでご紹介した「オール・ユー・ニード・イズ・キル」と同じで、タイムトラベル要素が入ったSF恋愛映画みたいになっています。恋愛がちょっとした端っこに寄せてくる感じになってます。毎日何気なく過ごす日々の中で、周りの人達の配慮とか有り難さとかを映画を通して感じていく…というようなヒューマンドラマになっていて、ホントに観たらホッとするような映画になっていて、誰もあまり傷つかなくて観やすい映画かなと思います。なので、仕事始める方も、これを観て頑張ってもらえたら…。この映画が心の中に寄り添ってくれます。
MC じゃあ明日あたりにこれを観て、(来週の)スタートを切る…。
星井 そうですね。笑点とちびまる子ちゃんとサザエさん観たあとに観てもらったら。(笑)
MC その取り合わせはどういう意味なんですか?
星井 日曜のルーティーンかなーと思って。(笑)
荒川 人によってはサザエさん観ると憂鬱になるって言いますけどね。「あー、もう日曜日も終わりだ」って(実感して…)。
星井 そういった時にこの映画と「イエスマン」を一緒に観ていただいたらホントにハッピーになりますよ。
荒川 2本を常備薬(の映画)に。(笑)ホントにこの映画はスッと入る感じです。
星井 映像も綺麗ですし、美術センスも高くて観やすくてこちらも色々評価が高い映画にはなっています。
星井 ある男性がお父さんに「お前はタイムトラベルできる力があるんだぞ」っていうことを教えてもらってから色々話が始まるんですけど、お金とか名声を得るためには使ったらダメで、人生を豊かにするために使ってください、って伝えられるんですけど、ある男性が女の子に出会ってそこから女の子と恋愛をしていく時に「どうやったら恋愛がうまくいくのか」ってあの手この手で必死に使っていくんです。
荒川 告白するタイミングを、最初に言おうか後に言おうか、とか変えたりして模索できるんです。
MC タイムトラベルがあるから戻れるのかー。
星井 女の子と結婚したくてしたくてしょうがないから、どうやったら攻略できるのか必死に…。「あの時の、あの時間の、あの店の、あの席に行けば会えるんだよなー」とか。女の子を攻略するためにタイムスリップするんです。(笑)だんだんそれ(タイムスリップが)うまくなっていくんですけど、ある時に、それが上手くいかない、やっぱりダメだった、というシーンが出てくるんです。で、お父さんも癌になったり…。そうなると、若い頃のお父さんに何回も会いに行くとか、そういったところに家族愛を感じて、「こういう家族いいなー」って、自分の一つの指針になりますよね。
荒川 お父さんも、タイムトラベルの能力を知ってるんで、息子が来ると、「(タイムトラベルは)何回目?」って聞くんです。
星井 会話もかわいいですよね。(笑)
荒川 で、癌で死ぬことも知ってるんで、「卓球しようぜ」って日常のやってたことを何回も繰り返す。
星井 この「アバウト・タイム」が人気なのは、映画の中に出てくるセリフとかが人気で、例えばお父さんがティム(息子)に「息子の父であることをとても誇りに思います」という言葉が出てきて、息子にしたらすごい嬉しいわけなんです。肯定感というか、日本人はこんな風に声を掛け合わないですよね。言われたことありますか?
MC 中々…。また、自分も親として、(こういう言葉を)言ってはいないかもしれないですねー。
荒川 言うといいですよねー。
星井 そうですね、ぜひ。(この映画は)そういった家族愛が見れていいなーと思います。
荒川 息子の結婚式にお父さんがスピーチするんですけど、1回ちょっと上手くいかなくて(タイムトラベルで)やり直すんです。お父さんも(タイムトラベルを)使っちゃう。そこがまた面白いなーって思います。(笑)
MC 何か人間の欲望が出てきてるんですね。
荒川 結構いろんな(ことの)ために使ってるんです。(笑)
星井 ティムのお父さんが癌だって知って、一緒に暮らせる時間が少ないって分かった時に、奥さんが怒り狂うんです。「お父さんと一緒に過ごせないなんてありえないわ!」っていうシーンがあって、純粋にまだこの夫婦は恋愛をしてるんだなーっていうところがいいですよね。今じゃそれ(夫婦間の恋愛感情)が幻なのかな?って思うことあるじゃないですか?(笑)夫婦観って何なんだろうなーって思うところがあるんですけど、この映画はそれがキラキラして見えます。
MC (この映画は)そういう人の気持ちを浮き彫りにさせていく仕掛けになってるんですねー。
荒川 タイムトラベル自体が、便利なもの、便利能力ではない感じに見えてきますよね。
星井 そうですね。自分だったらいつ戻るんだろうなーって思います。
MC 自分と比較する、自分に当てはめる?
星井 そうです。
荒川 戻るのは戻るんですけど、そこから繰り広げられることがまた変わってくる。同じようには(展開が)ならなかったりするので、そんな中で、この人に出逢えるかどうかとかも、変わってくるんです。(タイムトラベルで)戻っても内容が一定じゃない、ちょっとしたことで、時が変わっていく。出逢ったり出逢えなかったり。結構大胆なことをするんです。タイムトラベルもので言うと、過去に戻って未来が変わるっていうのはあんまりよろしくない。生まれるべき人が生まれないとかがあるので、あんまりよろしくない行為なんですけど「アバウト・タイム」はそういう点がざっくりとした設定になっていて、あんまり観ていて気にならないんです。ガチガチな設定がないので、それも観やすい点だと思います。監督の意向というのもあって、お互い両思いになって恋に落ちるっていう状態になれば、未来に戻ってやり直したとしても、またどこかで逢って恋仲になれるっていうルールを決めたので、この映画が進むんです。それがルールとしてないと、(タイムトラベルで)戻ったら、もしかしたら恋仲にならないかもしれない、ということになって話が進まない。ここが、(この映画の)観やすさのポイントです。
星井 恋愛って片思いが一番楽しいですよね。(笑)
荒川 中村さんは恋愛は片思いが楽しいと思いますか?
中村 そんなことあるわけないじゃないですか!(片思いほど)辛いことってないでしょ?そうでもない?
星井 そうですか?(片思いが)楽しいから少女漫画も売れてるんだと思うんですけどね、いつ(恋が)実るのか?みたいな…。
荒川 確かに中々カップルにならなかったりするじゃないですか?
星井 「君に届け」なんて、18巻くらいまで(両想いに)ならないんですから。(笑)
荒川 それがストーリーになるので楽しいんですよ。
星井 大抵の女の子たちはそういうので楽しんでたりしたんですけどねー。
荒川 男女差もあるのかな?
MC どうなんですかねー?僕らの世代だと、片想いっていうのは命がけ?(笑)
星井 命がけ!?(笑)
MC まぁ言い過ぎたけど、でもかなり(片想いは)キツイですよね。今(現代)とは(考え方が)違うとよ、心理が。
星井 あ、そうか。スマートフォンですぐに連絡が取れる距離とかでもないし…。
MC (当時は)何でも劇的だからね。電話一本だって繋がるかどうか…。出ても相手の親父だったり…。それでガッチャンって(電話が)終わっちゃうとか…。スマートフォンだとそういうのってたぶんないでしょ?
星井 ないですね。今はLINEで告白するっていうのもあったりしつつ…でも、(告白したLINEを)スクリーンショット(で取られるの)が怖いから直接会って話そう…って(昔の時代に)戻りつつあるんですって。
荒川 ちゃんと会おうっていうのはいいことですよねー。
MC LINEはLINEで上手く使って、大事なときは会って話そうってね。頼り過ぎたらダメですよね。
荒川 大体LINEで済ますといいことない。上手く伝わらない。
星井 (気持ちを)文字に起こしてみると違う言い回しになってた…。(笑)
荒川 結構(LINEって)勘違いしやすいんですよね。後で会って話を聞いたら「全然そういう意味じゃなくって」って言われたり。
MC 結局コミュニケーションって、非言語のほうが大きいじゃない?(コミュニケーションの)7割が非言語だからね。3割が言語、少ないんですよ。それが本来のコミュニケションだから、それを文字だけで相手に伝えるのは、最初から間違ったコミュニケーションを取ろうとしてるわけ。
星井 今、いい話聞けた。確かにアイコンタクトとか、その時の手触りとか、顔つきとか…。でもホントにそうですよね。相手を見てやらなきゃいけないってことが、この映画でも結構あって、いつ彼女を落とすか、落とせるのか?って時に、全てサーチするんです。どうやったら彼女が振り向いてくれるのか、頭をフル回転させてるんで面白いです。
荒川 それでは曲行きましょうか?
MC 2曲目行きたいと思います。ラッドウィンプスで「ふたりごと」。
MC 時刻は午後7時47分をまわりました。今週の荒川デザイン・クリエイティブジャムは「傍らに映画を」お送りしております。この番組は、新たに人とモノと文化のポータルポイント事業を展開するロジスティクスカンパニー、株式会社アンノウの提供でお送りしております。ただいまの曲は、ラッドウィンプスで「ふたりごと」お聴きいただきました。
荒川 ありがとうございます。この曲もちょうど歌詞が(映画にあっていて)。「私の命は二人の愛の証 そこには一つだって嘘はない そうでしょう? そうだよと言ってよ」「二人に愛はもうないと言うなら私の命は全て嘘にかわり… 『時』に嘘をつかせないで」という歌詞が、お父さんの息子に対する言葉とかがぴったり合うかなと思ってこの曲を選びました。
MC ぴったりな曲をよく選べますね?
荒川 (映画にぴったり合う曲が)あるんですよ。(笑)でも、星井さんと話もして曲は選んでるんですよ。
荒川 あ、もうエンディングですか?今日めっちゃ早くないですか?
MC モスラの話が余計でしたか?(笑)
荒川 いや、ちょうど話の間にあってよかったですよ。では、次回の予告をしますね。次回は5月19日 19:00から。ゲストは田中潔さんです。「NIPPA米」って知ってますか?「新波」っていう日本酒とか知らないですか?
MC 新波?
荒川 新波という地区が栃木県栃木市にあって、そこで400年くらい続く農家の息子さんなんですけど、元々カメラマンをやられてて、家業を継ぐことになってNIPPA米っていう米を作られてて、去年から日本酒を作るようになったんですって。ちょうど今田植えとかされてる時期ですね。日本酒の話とかお米の話、カメラマンの話などをしようかなと思います。楽しみにしていてください。今回の放送も文字に書き起こしてホームーページに載せますので聴けなかった方、また読みたいな−という方、またホームページをご覧ください。今夜も荒川デザイン・クリエイティブジャム、ありがとうございました。今回もう13回目です。
MC ホントに今日の(映画の)2本はとってもよかったです。観たいと思います。
荒川 是非観てください。
MC 荒川デザイン・クリエイティブジャム「傍らに映画を」お届けしました。今日の出演メンバーは…
星井 星井友香理と
荒川 荒川サトシでしたー。
MC ナビゲーターはパーソナリティーの中村長司でした。ではまた次回。
一同 ありがとうございましたー。