2018.8.18

ARAKAWA DESIGN CREATIVE JAM

ARCHIVE #20

2018年8月18日のADCJ第20回は、「傍らに映画を」を放送しました。新メンバーに雫さんをお呼びして「シェープ・オブ・ウォーター」で語り合いました!

MC  時刻は午後7時をまわりました。毎月第1、第3土曜日のこの時間は荒川デザイン・クリエイティブジャムをお送りしております。この番組は株式会社アンノウの提供でお送りいたします。
荒川  こんばんは!荒川デザインの荒川サトシです。中村さんよろしくお願いします。(ラジオの放送が)あっという間で第20回でございます!ありがとうございます。始めにこの番組の紹介をさせていただきます。荒川デザイン・クリエイティブジャムでは「クリエイティブを声で届ける」をテーマに、日々様々な表現をされているゲストをお呼びして、デザイナー視点でトークをするゲストトーク回と、「観た人もまた観たくなる」をテーマに、映画作品を独自の視点で語る「傍らに映画を」の2本柱で毎月2回(第1・第3土曜日)お届けしています。先月までは第1土曜日は映画、第3土曜日はゲスト回という形でしたが、色々編成をかえて、ゲストさんの都合などもあり、変則的になり、今週は「傍らに映画を」をお届けします。番組中に質問、メッセージを募集しています。Eメールだと「773@miyaradi.com」から。また、ミヤラジアプリからメッセージ、直接質問や感想も送れます。ツイッターのハッシュタグ#ADCJでつぶやいていただいてもこちらでピックアップしますので、質問やメッセージなど何かありましたらぜひ送ってください。
MC  メッセージいただくとだいぶ盛り上がりますよね。(笑)
荒川  ひとつついただくと10分くらい盛り上がります。(笑)聴いてるよとかでもいいので、ぜひメッセージお願いします。

荒川  今回は「傍らに映画を」の新メンバーをお呼びしています。しずちゃんこと雫さんです。よろしくお願いします。
  よろしくお願いいたします。こんばんは。
荒川  緊張してますか?
  すっごく緊張してます。(笑)
荒川  簡単でいいので自己紹介お願いできますか?
  こんばんは。雫と言います。よろしくお願いいたします。色々語りたいことはあるんですが、何を話せばいいのか全然わからなくて…。(苦笑)
荒川  大丈夫ですよ、ゆったり進めていこうと思いますので。

荒川  中村さん。夏、お盆ももう終わりですが、先程もお忙しく動かれてると話してましたが、映画の話の前に、夏の思い出を少し喋りますか?
MC  夏の思い出!?何だかとってもいいフレーズですね。
荒川  まだ今年の夏が終わってないかもしれないですけど…。
MC  夏の思い出…なんだろう。たぶん人生の中でもとっても活発に動いた夏だったと思いますね。
荒川  何故ですか?
MC  ミヤラジゆえですね。取材とかレポートとか、自分でも結構動いてるなーっていう感じがあって、週末、木・金・土はミヤラジで喋ってるので、週末のイベントには全く行けないんですよ。それがちょっと残念かなー。
荒川  今日の台湾フェスやってましたよ。行きました?
MC  さっきちょっと行って覗いてきました。屋台横丁。
荒川  しずちゃんはどうですか?夏の思い出。
  夏の思い出というか、印象的なのは夏の夕方のひぐらしですよね。後は、フェスに行ったりとか…。
荒川  何フェスですか?
  オタクのフェスに行ったりとか。
荒川  コミケですか?
  私、今年は行かなかったんですけど、たまに夏場行ったりするんです。夏コミ、あと、冬コミ…。
荒川  中村さんコミケ分かります?
MC  何かニュースで見たことはあります。
荒川  ニュースだと、コスプレしてる人が取材受けてるのとか多いですけど、もっと色々幅のあるイベントなんじゃないかなーと思って。売ってるものとかも、アニメのキャラクターに寄りがちじゃないですか。だけど、意外に研究してるものが本にまとまって売ってたり、同人誌の即売会とかあったりするんですよね。
MC  日本を紹介する時に、アニメの世界って、クールジャパンとして世界に発信されてるでしょ。海外の方も結構来られてますよね?
  すごく来ますね、海外から。
MC  そういうのを見ていると、どういう所がクールなのかなぁってちょっとイマイチ分からない所があって、結構興味がわきます。
荒川  漫画とかアニメとか見ますか?
MC  漫画は結構好きですね。楳図かずお先生の半魚人とか。
荒川  え!?まさかそれは、今日の映画の振りのいい枕になりました。(笑)
MC  少年マガジンに掲載されていたんですが、見てました。絵がすごいグッとくる感じで。

荒川  半魚人ていうキーワードも出たんですが、今回のテーマは「シェイプ・オブ・ウォーター」です。アカデミー賞で作品賞など4部門を受賞して、ベネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞してます。監督がギレルモ・デル・トロ監督ですが、中村さんはこの監督の作品を見たことありますか?
MC  わからない…。どういう監督かは全然知らないですね。もしかしたら観てるかもしれないですけど、作品名と監督が繋がってないかもしれない。
荒川  しずちゃんはデル・トロ監督の他の作品だと何かありますか?
  やっぱり「パシフィック・リム」ですね。
MC  あー観ました!
荒川  あ!やっぱり観てましたね。「パシフィック・リム」は今回は取り上げませんが、「シェイプ・オブ・ウォーター」のストーリーをざっくり話しますね。2017年公開の作品で、声を発することができない主人公の女性イライザが、冷戦中のアメリカの研究機関の施設で、夜、掃除の仕事をしている。そこで、アマゾンで捕獲された半魚人と出会ってロマンスに発展するおとぎ話なんです。で、元ネタというか、デル・トロ監督がこれを作ろうと思ったきっかけとなったのが、1954年の「大アマゾンの半魚人」っていう映画なんです。どんな映画でしたっけ?
  本当にざっくりなんですが、ラストで悲しい結末を迎えるみたいなので、デル・トロ監督が「シェイプ・オブ・ウォーター」ではハッピーエンドにしたかったみたいです。
荒川  半魚人と女性がバッドエンド。ハッピーエンドじゃないので「シェイプ・オブ・ウォーター」ではハッピーエンドにしようっていうのが1つで、あと、「美女と野獣」ってあるじゃないですか。あれの最後は野獣が王子様に戻る訳ですよ。そうすると、美男美女がくっついて終わりっていう結末になる訳です。あの流れでいうと、「イケメンの王子様に戻らなくてもいいんじゃないの?」っていう気持ちも観てると起こるんです。好きだなという恋愛感情が、野獣の姿とかで、美しい心で…っていうところがいいんですけど、最後キスをすると王子様に戻っちゃったっていう気持ちがあって…。「シェイプ・オブ・ウォーター」では、そういう所を踏まえて、エンディングにむけて…。ありのままを愛するとはどういうことかっていう事ですよね。で、テーマでいうと映画の中は冷戦下なので、色々差別もあるし、生きづらい社会の中で、マイノリティーの人がどう向き合うのか、というのもテーマとしてあって、主人公も元々孤児で、名前にも孤児の代名詞がついてるような設定で、声が出ないから生きづらい感じなんです。同僚のゼルダっていう女の人も、アフリカ系の黒人っていうことで差別もされるし、セクハラみたいなことも言われるんです。その中で、「愛することは自由であっていいんじゃないか」っていうのがストーリーが進むと展開していくんじゃないかな、とは思うんですが…。

荒川  中村さんは観ていてどうでしたか?
MC  まず、この映画はCGじゃなく、スーツを着てやってるんでしょ?あのリアリティーがすごかったですね。まずそれでインパクトがあって、これからとてつもないこととか暴力的なことが起こるのかな…って思って観ていたら全然そうじゃなくて、恋愛映画的なところが出てきて、その変化みたいなのが観ていてはっきり分かりました。
荒川  絵も暗いというか、ダークなトーンで終始進んでいくので、重めに感じがちですけど、半魚人の最初の「怖いな」っていう感じから、だんだん素敵に見えてくるっていう、主人公の気持ちに同調していって、立ち姿もカッコイイ、惚れる感じも分かる感じがしますよね。
  はい、すごくかっこよくて。
MC  半魚人も「シェイプ・オブ・半魚人」みたいな感じでね?
一同  (笑)
荒川  どういうことですか?
MC  とってもスタイルがいいですよね?
荒川  あ、スタイルがいいって事ですか。(笑)
MC  スーツ着てああいうスタイルいい方って中々いないでしょ?
荒川  スーツの中に入ってる人も、デル・トロ監督のお気に入りの方で、手足の長いスタイルの方が中に入って撮影をされているんで…。結構大変だったみたいですよ。水に入るシーンが多いので、ぬるま湯だったみたいですけど、風邪引いちゃうとか…。で、全部覆われてるんで、耳の感染症になっちゃうとか、色々苦労した中で撮影されたみたいです。
  すごく大変だったんですね。
荒川  だと思います。スーツ濡れちゃうと素材がヨレヨレになっちゃうらしくて、管理も大変、乾燥させてまた色を塗ったり…。目やヒレを動かす機械が背中に入っていて、それも防水仕様にしないといけないので、特撮を好きで観ている側としては、大変だろうなぁと思います。CGでバーンと持ってきたのではなく、あくまでもCGはお化粧ぐらいな感じで、元の素材は実際に撮るっていうこだわりはすごく感じましたね。

  すごいですね。(笑)デザインもそうですけど、表面の質感とか鱗の表現とかすごいこだわり抜いてるなぁと。目がぎょろぎょろしてるシーンがあるんですけど、あそこはCGか何かかなぁと思っていたんですが、今話を聞いて機械だったんだっていうのを知ってびっくりしています。
荒川  そう、だから実際に演技している人は外の状況が分からなくて見えにくいと思うんですけど、言葉を介する訳じゃないので、あの動き、イライザも手話で会話をしたり、半魚人もちょっと手話をしたり、後は動きのリアクションだけなんですよ。驚いたり、喜んだり、困ったりするのも、サイレントムービーではないですけど、セリフに頼らない演技っていうのがすごく印象的だったなぁと…。でもすごくグッときて。劇中で主人公が「半魚人を助けたい」と言って、隣人のジャイルズおじさんを説得するシーンがあって、主人公も喋れないので、全身を使って手話でお願いするんです。喋れる状態だったら大声で説得するシーンだと思うんですけど、喋れないので全身を使ってするシーンは観ていてざわつくというか…。助けないと人間じゃなくなっちゃうっていうのを手話で演出するっていうのがちょっと印象的なシーンだなぁと思いました。
荒川  中村さんは、こういう強い思い、何かに対して「助けたい!」って思ったシーンありますか?半魚人を救いたいっていうのは極端な強い思いだとは思うんですけど…。(笑)
MC  ほんと、究極な感じはしたよね。まぁ、究極まではいかなくても、自分の身近な家族に対しては、ある意味自分の命をかけて、そういう気持ちになる。そういうのに近いんじゃないのかなぁと思います。

荒川  半魚人自身も生きづらい存在として描かれていますよね。それと、敵役の軍人のストリックランドという人物は、最初は勝ち組として描かれていて、家や車もあって、きれいな奥さん、息子、娘もいて権限のある仕事の職についていて、半魚人を管理する職につくんですが、指を噛みちぎられるシーンがあって、そこから糸がほつれるように完璧な勝ち組像というのが崩れていく感じがしたんですが、女性から見て、男性の威厳が崩れていくのを観ていてどう思いましたか?
  最初はストリックランドはすごく落ち着いていて言葉にも余裕があって、全体的にクールな感じなんですけど、半魚人に噛みちぎられてから、指がボロボロになっていくと同時に彼もボロボロいろんなものが崩れていって、色々使命もあるんですが、最終的に感情に流されるまま爆発している感じはしましたね。
荒川  ガワだけの部分もあったのかなぁって思いますよね。剥がれやすいというか、もろい部分が元々あったのかもしれないですね。例えばアメリカの車とかそうですけど、見た目がすごくでかくても、実際の中身だけを凝縮するとそんなに大きくなかったりしますけど…。彼自身も、実態よりも周りに大きく示していた分、ちょっとほつれたり崩れたりすると、そこから中に空洞の部分があったりすると、ボロボロ崩れちゃったりするのかなと思いました。あの人物も、敵なんですけど、いい転職先が見つかったらいいなーと純粋に思う…。(笑)失敗して上司に「お前は使い物にならない」くらい言われて四面楚歌みたいになるじゃないですか。一回仕事を辞めて転職すると家族も守れるし、指ももしかしたら治るんじゃないかなぁ、と。(笑)
  確かに、家族もいるし、仕事を辞めて田舎の一軒家に住んだりしたら良いんじゃないかなぁと観ていて思いました。(笑)
荒川  現状維持しようとすると、ああなっちゃうんですよ。仕事を完遂させないといけないし、無理矢理な行動になっちゃうんだな、柔軟だったらいいのにな…って思いますけど。
  ストーリーの終盤あたりになると、ストリックランドがポジティブになる方法みたいな本とか読んでましたけどね。
荒川  あ、そうですね。明日(半魚人を)解剖するっていう日に、ロシアのスパイの博士が「やめてくれ」って進言するシーンがあったんですが、その時に(ストリックランドが)読んでた本が「ポジティブシンキング」っていう本だったんです。(笑)
一同  (笑)
  観ていて可愛そうになりますよね。小説本とかも、半魚人を連れて帰ろうとして現地に行くんですけど、イライラモヤモヤしながら、不満たらたらで、上司にも「何でこんな仕事を俺にさせるんだよ…」みたいな…。
荒川  最初から半魚人プロジェクトに対しては「これどうなんだろう…」って不安を持ちながらやっていたからなんですよね。
  早く家に帰りたいって毒吐していて、大変なんだなぁっ…て観ていて。
荒川  半魚人に指噛まれるシーンはないじゃないですか。気づいたら噛まれていたので、何をしたのかなぁって思って見返した時に、よっぽどの事をしたから噛みちぎられたんだと思うんですよね。性格的にワーってびっくりする半魚人ですけど、人間に対して急に殴りかかるとか暴力性はそんなに感じなかったので、よっぽど殴るかいじめたんだと思うんですよ。それでブチ切れて噛みちぎるっていう行為に至ったんじゃないかなぁと。理解出来ないものと触れ合ったとしても、優しく接したほうがいいよなって思いましたね。
  人に優しくってことですね。
荒川  一曲いきますか。一曲目はしずちゃんのリクエストで、GO!GO!7188で「真夏のダンスホール」です。

MC  時刻は午後7時34分をまわりました。毎月第1、第3土曜日のこの時間は荒川デザイン・クリエイティブジャムをお送りしております。今週は「傍らに映画を」をお送りしております。この番組は新たに人とモノと文化のポータルポイント事業を展開していきますロジスティクスカンパニー、株式会社アンノウの提供でお送りしております。只今の曲は、GO!GO!7188で「真夏のダンスホール」をお聞きいただきました。

荒川  ありがとうございます。映画の撮影の話をしたいと思います。イントロのシーンで、水の中の部屋、水浸しの部屋でベッドとかも浮いていて、イライザも浮いていて、そこから入っていってタイトルバックのシーンがあるんですけど、あそこのシーン、水を全然使わないで撮影してるんですって。知ってました?「ドライ・フォー・ウエット」っていう撮影手法なんですけど、元は日本のある映画なんですよ。たぶん中村さん知ってるますよ、特撮の日本映画。
MC  うーん、なんだろう。日本映画?ゴジラ?
荒川  そう!初代ゴジラで、水を使わないけど水の中にいるような見せかかるシーン。
MC  そうか!オキシゲンデストロイヤーを使うシーンとか…。
荒川  それが最初で、デル・トロ監督はすごい怪獣や特撮とかも好きなので、そういう表現を使っているんですって。で、何が「ドライ・フォー・ウエット」の利点かっていうと、長時間撮影ができる。水の中で実際に長時間撮影しようと思うと、シュノーケルつけて空気をギリギリまで吸ってもらって、潜って「はい!」って撮るわけですよ。やっぱり限界があるし、じゃあCGで全部やっちゃおうかってなると、ちょっと空気感というか、光の感じとか、物理的な存在の水の厚みとかゆらぎとかが、ちょっと上手く出ないんですよ。それを解消するのに、上から光を当てて光が差し込んでるようにしたり、プロジェクターで光が反射してゆらいでるやつを壁に当てたりとか、色々やって、更にCGで色味を変えたり泡をポコポコいれたり、お化粧はするんです。魚は後で足さないと泳いでる感じにならないんですけど。さっきのスーツの話もそうですけど、そういうCGだけに頼らない撮影手法っていうのを使ってるんで、すごく観ていても満足感のある画作りだなぁと思いました。元々はモノクロで撮ろうと思ってたんですって。「大アマゾンの半魚人」がモノクロ映画で、それを下敷きにってことだったので、モノクロで撮ろう…って。でも、映画配給会社が、「モノクロはちょっと…客入りが心配」ってことで「もうちょっと足すからカラーで」ってことになったんですって。
MC  あら…。
荒川  まぁそれはしょうがないですよね。統計というか、モノクロはお客さん入らないみたいで。
  仕方ないですよね、カラーの時代ですし。でも、あえてモノクロっていう選択肢もあったかもしれないですけど、カラーには敵わないんでしょうね。
荒川  アカデミー賞も受賞しましたけど、カラーで緑の色とかも、油絵みたいな感じで表現されていて本当にきれいだなって思って。
MC  やっぱりモノクロってモノすごくクロう(苦労)するからじゃないですか?(笑)
一同  (笑)
荒川  しずちゃんわかります?これ、中村さんの、ダジャレというオハコなんですよ。(笑)突然来る今日のダジャレコーナーみたいな…。(笑)毎回処理をどうしようかなぁと…。(苦笑)
  なるほど。(笑)

荒川  僕ばっかり喋ってますけど、しずちゃんの中でこのシーンは印象的だったなぁというのはありますか?
  印象的なシーンは結構たくさんあったんですが、イライザが最初、すごく地味で、ちょっと感情がないというか保守的でオドオドしてる感じ、同じことの繰りかえしで満たされてるようで満たされていない感じ。でも半魚人に出会ってからはすごくイキイキし始めて、表情も豊かになったり、ジェームスに「彼を助けたい」って手話で訴えかけてくるシーンとか、服装も地味な緑から段々スカーフが明るくなったりブローチが付いたり、終盤になって服が赤くなったのはびっくりしました。
荒川  そこは僕も観ていて印象的でした。中村さんはどうでしたか?
MC  雫さんがおっしゃるように、観ていて段々変わっていったのはわかったけど、(服とかが)そこまでよくは見れなかったねー。(笑)その辺はやっぱり女性ならではだねー。
荒川  監督自身も、緑と赤っていうのは意識的に使い分けていて、緑の系統は嘘とか欺瞞というか作り物のイメージとしてモチーフとして描かれていて、最初のシーンでテレビのネオンがピカピカ光ってるんですけど、緑でピカピカ光ってたり。あえてですけどね、テレビのそういう作って表現してるものを緑で表現してる。服装とかもそうで、例えば「こういうことを言いたいけど言えない」っていう人が緑の服を着てるとか、場所自体も緑色だったり。ストリックランドの車も緑色なんです。あと、ジャイルズさんが描いてるゼリーみたいな色も最初赤で描いていたのに、クライアントに持っていったら「いやー時代は緑だよ」って言われて、一生懸命緑に描き直すんです。それもジャイルズさんにとっては嘘の絵を描いてるわけなんです。本当は赤のほうがいいし、描きたい絵なんだけれど、それだとクライアントはOKって言わないから、しょうがないから緑のゼリーの絵を描く。で、ブローチや服装とかも、半魚人とある一定の恋愛状態になったあと、そういうふうに劇的に変わるんです。最初、欲しいなと思っていた赤い靴を履くようになったり。あれも印象的でしたよね。「よかったな」って観ていて思いますよね。最初は不満そうでありのままではない姿だったから、半魚人と出会うことによって開放された感じで。
MC  もう、荒川さんのお話にFix meになっちゃったねー。(笑)
荒川  今日は振りを入れてくれるんですね。(笑)
MC  もう時間がないんでねー。(笑)
荒川  あ!そうですね、じゃあ一曲。僕のセレクトです、コールドプレイで「Fix You」。

MC  時刻は午後7時49分をまわりました。荒川デザイン・クリエイティブジャム。この番組は新たに人とモノと文化のポータルポイント事業を展開していきますロジスティクスカンパニー、株式会社アンノウの提供でお送りしております。只今の曲はコールドプレイで「Fix You」でした。
荒川  もうエンディングなんですよね。この曲の話だけすると、「fix you」っていうのは直すとかっていう意味があるんですけど、もう少し癒やしだったり、正しい姿にする、ありのままの姿に戻すっていう意味があって、エンディングとかのシーンを観ているとまさにそうだなぁと思って。怪我が治るとかじゃない状態で最後を2人が迎えてあのシーンだなと思って、この曲を選んだ次第です。
MC・  ありがとうございます。
荒川  しずちゃん、どうでしたか?もうあんまり時間がないですが、感想をお聞きしたいと思って。
  人生初のラジオだったので、今もすごく緊張してるんですが、楽しかったです。
荒川  よかったです。中村さんがいるのですごく楽しい雰囲気になるんで感謝してます。
MC  ありがとうございます。
荒川  次回の予告だけして終わりますね。次回は9月1日です。ゲストをお呼びする回です。さいとうみゆきさんというフリーのライターさんをお呼びして、脚本とか小説とか漫画の原作とか、ライティングの仕事をバリバリしている方で、新連載の話とか、その辺りを聞きたいなと思います。今夜も荒川デザイン・クリエイティブジャム第20回、お聴きいただいてありがとうございました。中村さん、しずちゃんお疲れ様でした。荒川サトシでした。
一同  ありがとうございましたー。

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