2018.9.01

ARAKAWA DESIGN CREATIVE JAM

ARCHIVE #21

2018年9月1日のADCJ第21回は、ゲストにフリーライターのさいとう美如さんをお呼びして、映画の脚本や、小説、漫画原作等幅広いライティングのお仕事のお話や、夫婦、子育ての話をお聞きしました!

MC  時刻は午後7時になりました。毎月第1、第3土曜日のこの時間は荒川デザイン・クリエイティブジャムをお送りしております。この番組は株式会社アンノウの提供でお送りいたします。
荒川  こんばんはー。荒川デザインの荒川サトシです!よろしくお願いしまーす。21回目ですね。よろしくお願いします。まず番組の説明をさせていただきます。荒川デザイン・クリエイティブジャムでは「クリエイティブを声で届ける」をテーマに、日々様々な表現をされているゲストをお呼びして、デザイナー視点でトークをするゲストトーク回と、「観た人もまた観たくなる」をテーマに、映画作品を独自の視点で語る「傍らに映画を」の2本柱で毎月2回(第1・第3土曜日)お届けしています。今夜はゲストトーク回です。番組中に質問、メッセージを募集しています。メッセージ今日来るといいですね。
MC  リクエスト、メッセージの送り先はEメール「773@miyaradi.com」でぜひ送ってください。よろしくお願いしまーす。
荒川  ツイッターのハッシュタグでつぶやいていただいてもこちらでメッセージをピックアップします。#ADCJでつぶやいてください。番組中に質問を紹介したり、ステッカーをプレゼントしたりしてますので、よろしくお願いします!

荒川  お待たせしました。今夜のゲストはフリーライターのさいとう美如さんです。
さいとう  よろしくお願いしまーす。
荒川  会うのは初めましてなんですが、お仕事ではメッセージとかメールのやりとりはさせていただいていて今日に至った訳なんですが…。まずは簡単にプロフィールの紹介をさせていただきます。フリーライターのさいとう美如さん。さいとうさんは映像作家・映像監督の岩井俊二さんに師事され、2005年にラジオドラマで脚本家デビュー。映画「虹の女神」、恋愛スマホゲーム「花婿ロワイヤル」その他、小説、漫画原作など幅広いジャンルでライティングを担当されています。育児情報アプリのConobieにて連載したWeb小説「夫婦の言い分」と「家族の選択」は閲覧トータル回数が350万回超。すごいです。で、最近のお話ですと、月刊ツインの9月号から「あいまいなオトシモノ、のような。」という小説の連載がスタート。今日はこれについても聞こうかなと思っています。今、一児の母でコーヒーとあんこが大好きだそうです。
MC  コーヒーとあんこ!?
さいとう  はい、ブラックと基本あんぱんです。昼も食べました。
荒川  あんぱん!?コメダ珈琲とかでトーストにあんこがついてるのとかは?
さいとう  あー、そういうのも好きです。
MC  あんぱんはどういう形状のものが好きなんですか?
さいとう  丸くてごまがのってる本当にシンプルなものが好きです。
MC  本来のあんぱん、正統派のあんぱんですね。(笑)
荒川  本来のあんぱんって…(笑)
さいとう  でも、たまにおしゃれなパン屋さんでチーズが入ってたりする変わったのも食べます。
MC  最近、あんこともう一つ、クリームとかバターとかありますよね。
荒川  あんバターもいいですよね。おいしいですよね。カロリーとか気にしちゃうとパンにあんこ、バター…。
さいとう  おまんじゅうも好きだし…。

荒川  あ!開始7分でメッセージが来ました!最速ですね!
さいとう  お知らせした方は結構みんな聴いてくれるとは言ってました。
荒川  ラジオネームジミーさん。「こんばん晴れ。コッペパンにあんことマーガリンのがいいですね。」とのことです。(笑)
さいとう  あ、好きです、好きです、大好きです!
MC  ブラックコーヒーとも合いそうですよね。
さいとう  コーヒーはもうほぼ中毒で、あると飲んじゃうんであんまりストックしないようにするくらいガブガブ飲んじゃう。

荒川  コーヒーとあんこの話で終わってしまうんじゃないかと…。話を戻しますね。フリーライターという肩書ですが、作家さんなんだろうなぁと思ってまして、まずは作家になろうと思ったきっかけや経緯についてお聞かください。
さいとう  そうですね、(どうして作家になったのか)聞かれることが時々あるんですけど、子供の頃、小学校前くらいから、絵を描いていても、色鉛筆で青が男の人で赤が女の大人の人でピンクが女の子で…って自分で登場人物を決めて、色鉛筆で一人でお話とかをやっていたので、なぜ(作家になったの)?って言われるとわからないんですよね。
荒川  じゃあ自然に好きで物語を紡ぎ出していたんですね。
さいとう  そうですね、好きでしたね。
荒川  お話を作るのが好きというところから、作家という職業につながったきっかけはあるんですか?
さいとう  そうですね、中学生くらいからずっと「公募ガイド」っていうのを買って応募したりしてたんですけど全然かすりもせずにいて、高校卒業してから上京してアルバイトとかをしながら自主映画とかを撮ってたんです、趣味で。それで、映画監督の岩井俊二さんがプレイバックスっていうサイトをやっているのを知って、小説でもいいし映像作品でもいいしどういう作品でもいいから応募できるっていうので、ちょうど長編の小説を書いたので出してみようかな、と思って出したところ、ある日突然携帯に電話がかかってきて電話を出たら「岩井です」って感じだったのでびっくりでした。(笑)
荒川  中村さん、岩井俊二監督はご存知ですか?
MC  そうですね、確か映像がきれいですよね。
荒川  作品とか覚えてます?
MC  何だったっけなー。
さいとう  ラブレターとか…。あと、「世にも奇妙な物語」ってあるじゃないですか。それで、過去に小学生か中学生くらいの時に観て強烈に覚えていたのが、実は岩井さんのだったりとか…。なんでどうもそう…それであの電話をいただいて、それまでは小説しか書いたことなかったんですけど、自主映画はなんとなく自分で書いてましたけど、「しっかり映像にするための脚本とかをやってみませんか?」っていうお話をいただいて、アルバイトもしてたので、よかったら事務所で働きながらやってみる?っていうことになって…。24歳だったかな?そこからですねー。
荒川  素敵なオファーというか出会いですよね。
さいとう  そうですねー。そういうのが過去を振り返ると転機だったなぁって思いますね。
荒川  働きたいって思ってる人はいっぱいいると思うんですけどオファーがかかるっていうのは…(すごいですよね)。
さいとう  (当時は)なんにも考えてなかったですよねー。若いだけというか…。
荒川  「君のこれがよかったから声を掛けたんだよ」みたいなのは聞いたりしなかったんですか?
さいとう  聞きましたけど…言っても大丈夫かな?作品を見て「新しい患者が来た」って言われたんですね。(笑)
荒川  患者?どういうことなんでしょうね?気になったってことでいいのかな?
さいとう  うーん、送った作品がちょっとそういう(病んでる)感じだったんじゃないですかねー。
荒川  そんなに病んでたんですか?闇の部分というか、ネガティブはネガティブでそれはエネルギーだと僕は思っていて、そこがちょっと針の振り方がいい感じでいってたんでしょうね。
さいとう  そうかもしれないですね。あとは、人に対してあんまり緊張とかをしないで気持ちを伝えられるタイプなので、たぶん岩井さんをみたらみんな「あー!」ってなっちゃうと思うんですけど、色々言いたいことを伝えられたのかもしれないですね。「こういうことをやりたいんです」って。
荒川  岩井さん自身も話しやすいとかあったのかな。すごい方なので人によってはガチガチになってしゃべれないとかだとディスカッションができないとか…想像でしかないですけど。(笑)
さいとう  振り返ると失礼なことばかりだったなぁって思って反省してます。

荒川  そこでのお仕事ではラジオドラマが最初のお仕事ですか?
さいとう  はい。「MY LITTLE HONDA」っていうやつで。これは元々別の方が書いたものに参加して直してっていうのをまずやってました。
荒川  ラジオドラマじゃないですか。ミヤラジで最近ないですかねー。昔はラジオドラマって多かったと思うんですけど。ミヤラジでラジオドラマってないんですか?来季くらいで脚本さいとうさんで…。(笑)
さいとう  (当時は)私も無名で監督さんも無名の方でやってみようって感じでした。
荒川  あ、でも(ミヤラジは)録音流せないんですよな?
MC  基本は生なので…。だから朗読じゃないけども…。
荒川  やっても4人でできるラジオドラマだったらできるってことかー。
MC  そしたらこのクリエイティブジャムのコーナーでラジオドラマ5分間のコーナーやったら?
荒川  誰がしゃべるんですか?僕ですか?(笑)
MC  もちろん!
一同  (笑)
荒川  でもちょっと面白いですよね。
さいとう  会話劇だったらできるんじゃないですか。
荒川  あ、でもちょっといいヒントですね。ラジオドラマは最近聞かないなぁと思って。一企画として。
MC  何でもチャレンジだし、ダメだったらポシャるっていう…。(笑)
さいとう  何かで本音が別で流れたりしてたら面白いですよね、会話劇でこう言ってるけど実は本音こうだ、っていうのがぐちゃぐちゃになってるのが結構面白い。
MC  じゃあ(例えば)荒川さんがセリフをしゃべって僕が後ろから背後霊のように本音を…。(笑)
さいとう  それ面白いですよね。
荒川  それ、ちょっといいですね!考えます。メッセージまた来ましたよ!あ!さっきと同じ方ですね。ラジオネームは違っていてとらのすけさんから。「こんばんは、岩井俊二監督のラブレターいいですね。どんな時に作品のアイディアが出てきますか?」
さいとう  (メッセージくださったのは)誰なんですかねー?
荒川  ラジオネームを変えて来たってことは、別の人ってことで僕が紹介しないといけなかったですかね…。ぐすいなことをしてしまってすみませんでした。
MC  それはそうですねー。リスナーの方の気持ちを尊重しないとねー。
荒川  ごめんなさい、すみませんでした。あ、じゃあ一曲いってから創作についての話をしてもらいましょうかね。あと、もうちょっとだけ岩井監督の映画の話もしたいので、CDをかけた後に、映画作品と創作についての話をしましょうかね。では、さいとうさんのリクエスト曲でcharaで「Break These Chain」。

MC  時刻は午後7時24分をまわりました。毎月第1、第3土曜日のこの時間は荒川デザイン・クリエイティブジャムをお送りしております。只今の曲はcharaで「Break These Chain」をお聴きいただきました。この番組は新たに人とモノと文化のポータルポイント事業を展開していきますロジスティクスカンパニー、株式会社アンノウの提供でお送りしております。
荒川  ありがとうございます。今日はさいとう美如さんをお呼びして放送しておりますけど、この曲、フライトドラゴンフィッシュのエンディングテーマで、一番好きな映画とのことですが、僕も今日(映画を)観返してきたんですが、どのあたりがいいですか?93年ですよね?
さいとう  あれは深夜ドラマでやってたんですよね、その頃はビデオテープで録画して中学生くらいだったかな。とにかく毎日のようにビデオを観ていて、映像の感じも好きだし、浅野忠信さんが全く演技をしてない自然な感じと、あとベスパっていうスクーターにみっちょんの丸メガネ。あの感じが(ファッション的に)やってみたいというのもあったしエンディングであの曲が流れると好きでした。
荒川  浅野忠信さんがまだ20歳、みっちょん24歳(芳本美代子)。若い!
さいとう  あとは高い卵を食べちゃうとかオチが話的にもすごい好きで、ああいう話を書けたら良いなと思っていた感じです。
荒川  僕もベタですけど、「スワロウテイル」とか「リリィ・シュシュのすべて」とかが青春どっかぶりな感じで観てましたね。
さいとう  おいくつなんですか?
荒川  僕、今年で39歳です。何ていうんですかね、ちょっとしっとりした画質というか絵作りでストーリーもハキハキしてる訳じゃないんですけどちゃんと進んでる独特な感じで、小説読んでるみたいな感じだなーと思って。他の海外や日本の映画とも違う感じだなぁと思ってずっと観てますけど。とらのすけさんの「どんな時に作品のアイディアが出てきますか?」っていう質問ですが…。
さいとう  そうですね、ここ最近はどこかに出す作品を書いているので、完全に個人的に書いているものとはまた違うというか…。
荒川  まずお話が来る…?
さいとう  あぁーそうですね。なので、一応編集の担当の方と「こういうのをやってみたい」っていうのをお互いに話した後に、(私は本当にずーっと考えちゃうので)ずーっと考えます。4歳の息子がいるんですけど、息子と遊んでる時もずーっと考えてて、とにかくずーっと考えてて、プロットっていう細かいあらすじを最初から最後まできちんと書かないと本文は書かない。
荒川  あ、なるほど!書きながら最後はこんな感じにしようと思いながらも、途中は書き進めながら変化もしながらとかじゃなくて?
さいとう  (そう)じゃないです。ガチガチに。
荒川  そうなんですか。
さいとう  そうじゃないと、連載ものだと、最初にこんなの言っちゃったけど最後につじつまが合わないってなると大変なのでガッチリ決めてから書いてます。
荒川  作家活動始めた最初の頃からそうなんですか?
さいとう  本当に素人だった時は思うように書いていたんですけど、岩井さんから教わった時に、起承転結を意識して、「起」の中にも起承転結があって、16分割でとか、結構教えていただいて、私は元々理数系なので、この何文字ずつがだいたいの枠で…とか結構細かく考えたほうが、例えば毎日毎日仕事で書くと、時間内におさまるんですよね。今日はこれだけっていうのを決めてやっていったほうが波がないんですよね、書くのに。乗ってるなーって時に余計に書いちゃうと翌日書けなくなったりして…。
荒川  なんか不思議ですね。そういうものなんですね。中村さんってこういう感じはありますか?仕事をされてて。
MC  でもここまでやっておこうっていう安心感みたいなのはあって、マイルストーンみたいな感じのがあって、ここまで行けば今日は寝れるなっていう…。だからそこまで今日は頑張って…。でもそれ以上にアイディアだとかいい感覚になるとやっちゃいますね。そうすると「後は楽だー」っていうのがあって…。だから(さいとうさんの)ちゃんと刻んでくるっていうところがすごいなーと思います。
さいとう  何か、その時に余計にやりたくなっても翌日やればいいのでやらないんです。
荒川  何かすごくマネジメントされてる感じですよね。じゃあ(サザエさんの)いささか先生みたいに先生の後ろに担当の人が立ってて「先生まだですかー?」みたいなのはない感じですね?そのスタイルだと。
さいとう  ないですねー。
荒川  最初にプロットが出来てしまえば、時間さえあれば書き終えるっていう感じですよね。はぁー。
さいとう  昔から、締切の前日までに、7日が締切だったら絶対6日までには終わらせるスケジュールをガチガチに組んで書かないと気持ち悪いので…。遅れることはほぼないですね。
荒川  そうなんですね、すごい…。じゃあ例えば夏休みの宿題とかはどういうふうにされてたんですか?
さいとう  わりと計画立てて宿題やるの大好きだったんですよ。
荒川  じゃあやっぱりその時からなんだ。世の中はもう夏休み終わってますけど、やっぱり親が「順番立ててやりなさいよ」とかすごく言って、子供は「わかった」ってやるけれど、結局やらないのを隠したりするじゃないですか。それがあとでしわ寄せが来て自分の首を締めるっていうことが結構ありますけど、そういうのはなかったタイプってことですか?
さいとう  計画立ててる時が一番楽しいくらいのタイプなんで、「今日はこれを終わらせた」「あれを終わらせた」っていうのが最高にいいんです。
荒川  なるほど。
MC  話飛んじゃいますけど、私も計画を立てるのが楽しいっていうのが分かって、高校を卒業した時に東北一人旅をしたんです。その時に時刻表を首ったけというか、一生懸命、乗り継いで乗り継いで一番いいコースをプランニングしたんです。そうしたら当日の朝になって朝起きたら行くのが嫌になっちゃって、嫌になっちゃうくらいの達成感というか頭の中で旅行してるんですよねー。まぁ(実際に旅行は)行きましたけど。(笑)だからそういうのは分かる気がします。
さいとう  私もそういうタイプです。

荒川  物事の快感の話を大学の時にワークショップであって、先生に課題を出されて「気持ちのいい瞬間を3つ考えてこい」って言われて、僕が考えたのが、「何かものを買う直前」「食べ物を食べる直前」とか、何かに満たされる直前を3つくらい挙げたんです。それは良いねって言ってもらったんですけど、例えば旅行の話もそうですよね。計画を立ててる時って行く直前のところまでの話じゃないですか。「よし、始めよう」ってなったら後は楽しみは目減りしていくだけだから…もちろん旅行自体は楽しいものですけど、そういうのもあるのかなーって。カタログとか見てる時もそうじゃないですか、買おうかな、どうしようかなって…。
さいとう  あー、すごい分かります。
MC  想像することの喜びですかね?必ずしも届いたものがそうとは限らないけど。(笑)
荒川  だからたぶん人間は欲張りなんだと思います。人間が成長するのに必要な要素として「欲張り」みたいな性能が備わっていて、満足しないっていう能力があるから進化もして成長しようっていう…。満足するところで終わってしまうと、これを買って満足してそれ以上買わないし、動機にならない。欲張りなんだろうなー…って思いますけどね。
MC  まぁそうかもしれないですね、みんな欲張りなんでしょうねー…。
さいとう  私は一日の始まりに今日やることを全部書いて消していくの好きなんです。(笑)
MC  あー、私もそういうの好きです。(笑)
さいとう  何かそういうのありますよねー。それで「全部終わったー」っていうのがたまらないんですよね。「全部やったー!スーファミやろう!」って…。
荒川  え!?スーファミやるんですか?今日スーファミの話も…。
さいとう  クラシックを買ったんですよ。
荒川  ゲーム結構好きですか?
さいとう  好きですねー。(笑)
荒川  一曲はさんで、ゲームの話か連載の話をしましょうか。Salyuさんで「Dialogue」です。

MC 時刻は午後7時42分をまわりました。荒川デザイン・クリエイティブジャム。今週はフリーライターのさいとう美如さんをお招きしています。只今の曲はSalyuで「Dialogue」をお聴きいただきました。この番組は新たに人とモノと文化のポータルポイント事業を展開していきますロジスティクスカンパニー、株式会社アンノウの提供でお送りしております。
荒川  ありがとうございます。今夜も荒川デザイン・クリエイティブジャムをお送りしていますが、僕が毎回曲持って来る時、ゲストさんを思いながら選曲するんですけど、今日はSalyuさん。「リリィ・シュシュのすべて」で本人は登場してないんですけどアーティストっていうことで歌を歌ったりしてる方で、今も歌手活動されているんですが、「Dialogue」っていうのは「対話」という意味で映画のセリフの意味にも使われていて今日のさいとうさんにぴったりだなーと思って2つの要素が入っているのでセレクトしました。

荒川  それで、ゲームの話もいいんですが…(笑)。最新作の連載小説「あいまいなオトシモノ、のような。」について残り時間が少ないので聞きたいなと思います。まずはどんな内容の小説なんでしょうか?
さいとう  一人娘が大学生で上京して、両親も他界して、旦那さんもいる平凡な中年女性が主人公なんですけど、よく主婦の恋愛ものってどうしてもドロドロした不倫モノになるじゃないですか。だけど私が思うに、主人公になってもいい人って要は魅力的な人なんですよね。魅力的な女性じゃないと不倫できないじゃないですか。で、(不倫を)出来ない人でも意外とまわりのお友達とか色んな人に話を聞くと、旦那さんや奥さん以外に「素敵だなと思うことくらいはある」。ただ、そこに一歩踏み込まないのは、罪悪感っていう意味もあるけど、それ以前にそもそも、こっちが思っていても相手に不倫対象とされていない。そういうのを書きたかったんです。元々の仮でつけていたタイトルが「不倫の条件」っていうタイトルで、良い悪いは別として、(不倫は)出来る人と出来ない人がいるっていう…。で、出来ない側の人を書きたいな、と思って、ある意味中学生の片想いじゃないですけど、そういうのを中年女性で書きたいなーと思いました。
荒川  片想いですって。以前ラジオに出ていただいてた星井さんが、番組中で、片想いは楽しいっていう話を中村さんとしたら、そんなに辛いことはないっておっしゃってたんですよ。今の作品のお話を聞いててどうですか?
MC  責任感、何だか肩が重い…。?
さいとう  どういうことですか?
荒川  責任感?
MC  だんだん皆さん社会的にも責任感とかが肩に重くのしかかってくるじゃないですか。だから中々自分のイメジネーションと意思決定っていうのは必ず一緒にはなくてそこにはズレがあって…。それで人生の幕を閉じていくんですよね…。(笑)
さいとう  でもそういう話なんです。(笑)
荒川  だったらこのお話も共感できますね。
さいとう  上戸彩さんがやってた昼顔も、上戸彩さんだったからそうなったけど、普通の人だったらどうだったんだろう…っていう感じです。
荒川  僕も第一話は読ませてもらったんですけど、話を聞くまではどういうストーリー展開になるのかな?って思いながら読んでいて、タイトルからも想像しがたい感じだったので、今日その話が聞けて今後の展開が楽しみになりました。
MC  じゃあ今度はそれを使って番組で物語を…
さいとう  (笑)
荒川  でもやっぱりオリジナルがいいんじゃないですか?この(ラジオの)場にあった5分ものなのか、朗読劇なのか…。ちょっとやってみたいですよね。脚本があるのであんまりア
ドリブはかませないですけど…。オヤジギャグ的なものもだめですよ。(笑)
MC  (笑)

荒川  Web小説で子育てとか夫婦のあり方とか書かれてますけど、今回も主婦が視点になっていて、そういうテーマがお好きなんですか?
さいとう  そうですね、20代の頃にあるプロデューサーの方に「さいとうさんの書くものって4畳半だよね」って言われたことがあって、その時はちょっとショックだったんですよね、当時ちょっとスケールの大きい話をやっていた時だったので…。けど、何だか年を重ねていくうちに、確かに狭いところでごちゃごちゃやっている話が好きで、その中の本音とか…。そういうのが自分が観るのも読むのも書くのも好きだなーって気づいて、書いていてすごく楽しくて…。
荒川  Web小説も一部読ませていただいて、確かにそういう感覚に近いなーと思って。本音のところだったり、ドキッとするようなことって夫婦の中でもあるじゃないですか。なんていったらいいのかな…。夫婦って文句を全部言えばいい関係でもないし、我慢を100%すればいい関係でもないし、その匙加減や状況、求められている事とこちらが出そうとしている事が違うと合致しないし、そのマッチングのところの妙みたいなのがあって、そういうのがこのWeb小説の中でもちょこちょこあって…。
さいとう  妻目線と夫目線が交互になってて、一話が奥さんで、奥さんがこう思ってる時に旦那さんがこうだった…っていうふうになっていて、恋人同士も楽しいけど夫婦ってすごい長い時間一緒にいるじゃないですか。特殊な関係だなと思ってそれが面白くて…。
荒川  Webで読めるので中村さんもぜひ読んでください。エンディングテーマが流れてきたので最後に感想などお願いします。
さいとう  番組が始まる前に「ちゃん付けにしよう」って話していてそれが出てこなかったなーと思って。(笑)
MC  あー!そういう話ししてましたね。
荒川  あ、真面目にやっちゃいましたね。(笑)じゃあ次、例えばラジオ劇みたいなのが始まる時は「ちゃん付け」で。プロデューサーみたいな感じで出てきてもらって「みゆきちゃんさー」っていう感じで始まるラジオドラマやりますか?(笑)
一同  (笑)
荒川  次回の予告をさせていただきます。次回は9/15(土)19時から。「傍らに映画を」お届けします。しずちゃんが来ます。敬老の日が直前にありますので、敬老の日スペシャルということで「マイ・インターン」をピックアップしてみました。今夜も荒川デザイン・クリエイティブジャム第21回をお聴きいただきましてありがとうございました。中村さん、ゲストのさいとう美如さん今夜はありがとうございました。荒川デザインの荒川サトシでした。