2018.11.03

ARAKAWA DESIGN CREATIVE JAM

ARCHIVE #25

2018年11月3日のADCJ第25回は、ゲストにempty design代表の大橋亮太さんをお呼びしました!新アシスタントのマイちゃんもデビューしました。

MC  11月3日(土)、時刻は午後7時になりました。荒川デザイン・クリエイティブジャム、この番組は株式会社アンノウの提供でお送りいたします。
荒川  こんばんはー。荒川デザインの荒川です。今日は中村さんがお休みなんですね?なんでお休みなんですか?(笑)
MC  どこか山に隠れました。(笑)
荒川  (笑)今日は稲葉さんよろしくお願いします。
MC  はい、ナビゲーターの稲葉です。よろしくお願いします。
荒川  始めに番組の説明をしますね。荒川デザイン・クリエイティブジャムでは「クリエイティブを声で届ける」をテーマに、日々様々な表現をされているゲストをお呼びして、デザイナー視点でトークをするゲストトーク回と、「観た人もまた観たくなる」をテーマに、映画作品を独自の視点で語る「傍らに映画を」の2本柱で毎月2回(第1・第3土曜日)お届けしています。今夜はゲストトーク回ということで、ゲストの方をお呼びしています。また、番組中に質問、メッセージをお待ちしています。
MC  リクエスト、メッセージは、Eメール「773@miyaradi.com」。スマートフォンアプリでお聴きいただいている方は、アプリの中にメッセージボタンがありますのでそちらから簡単にお送りいただけます。
荒川  ラジオネームもつけて送れます。ステッカーをプレゼントキャンペーンもしていますので(笑)お待ちしております。あと、ツイッターでハッシュタグをつけて、荒川デザイン・クリエイティブジャムの頭文字をとって、#ADCJをつけてつぶやいていただいてもこちらでメッセージを読めるので、ツイッターでつぶやいてみて下さい。今夜は新アシスタントに来ていただいています。デザイナーのマイちゃんです。こんばんは!
マイ  こんばんはー!はじめまして、よろしくお願いします。
荒川  初めに自己紹介を簡単にしていただけますか?
マイ  私はキツネデザインという名前で活動しておりまして、主に絵本に出てくるような可愛いイラストとかを描いて、名刺やショップカード、フライヤーとかにしてデザインをしております。主に小さなお店の活動を応援しています。あとは、子供向けにワークショップなどイラストを使ったりして行ったりしております。
荒川  ワークショップ人気ですよね?三角形のあれ、何でしたっけ?
マイ  あれは提灯なんです。工作ワークショップです。絵柄がいくつか用意してあって、切って折ってランプを仕込んで簡単に作れるんです。LEDのちっちゃいのがあるんですよ。
荒川  今日は持ってきてない?
マイ  次回持ってきます。
荒川  じゃあ12月にクリスマスそれで!ミヤラジをディスプレイしましょう。

荒川  今夜はゲストの方に来ていただいているので、ご紹介します。今夜のゲストはempty design代表の大橋亮太さんです。
大橋  こんばんは。これ緊張しますね。(笑)
荒川  めちゃめちゃ緊張してますね。(笑)だんだん慣れてくるんでまず大橋さんの紹介をお願いします。
マイ  今日のゲストはempty design代表の大橋亮太さんです。1983年4月5日生まれの35歳。高校卒業後、都内でパンクをベースにした前衛バンドの活動を行う。帰郷後、ソロ活動を行いながら絵画、詩、オブジェなどの作品を制作。23歳で単身ニューヨークに渡り、見聞を広めグラフィックデザイナーを志します。帰国後は県内数社の印刷会社で働き2017年独立してempty designを立ち上げます。紙だけではなくweb制作までできる強みから、企業に必要なデザインを統一させブランディングを行っています。現在はビルの屋上のアートディレクションを手掛けていらっしゃいます。
荒川  ありがとうございます。
MC  いっぱいツッコミどころのあるプロフィールですね。
大橋  本当ですか?でもよく言われます。(笑)
荒川  まず、高校卒業後にパンクをベースにした音楽活動。バンド名がまず気になるんですけど。
大橋  バンド名にもemptyが入ってて、「all tomorrow’s empty」だったんですよね。
荒川  どういう意味ですか?
大橋  「すべての明日が空っぽだよ」っていう感じの意味ですね。
荒川  絶望、虚無みたいな感じですか?
大橋  まぁそんなのもありましたね。昔から空っぽっていうのに興味があって。
荒川  ミュージシャンを目指してたんですか?
大橋  中学校の頃からバンドをやっててその頃はそうだったんですけど、その後、商業音楽が嫌になって(笑)、実験的なことばっかりをやり始めて、undergroundとかノイズとか現代音楽に近いコンセプト有りきの音楽みたいな、そんなことばっかりずっとやってて、それがあったから、絵とか詩とかも前衛的なものばっかりに興味があって…。
荒川  絵も描いて詩も書いてたんですよね?今日はお持ちですか?
大橋  今日は持ってきてないんですよ。探したんですけど結構昔のものだったので…。
荒川  そういう攻めた感じの、商業音楽にアンチっていうのは…、普通食べていくためには姿勢としては通らざるを得ないじゃないですか、商業っていうのは。趣味でもないしライフワークでやろうと思ったら何かしら商業的なものが必要ですよね?
大橋  たぶん若いからできてたんだと思うんですよね。で、そのうち何で生きていくかを考えなきゃいけなくなるわけです。だから音楽で生きていこうとは思ってなかった、結局。
荒川  で、「23歳で単身ニューヨークに渡り、見聞を広め…」というのは具体的にはどういう過ごし方をしてたんですか?
大橋  期間は3ヶ月なんですけど、お金を貯めて、泊まるところがない。1週間単位で語学学校に入れて、そこに入ると寮に入れるので、それで、学校は午前中だけなんで、午後とか夜は遊んでニューヨークを楽しむってことをやってました。その頃、ニューヨークに僕が好きな文化がたくさん集まっていて、絵画とか詩とか音楽とか。だから人生で1回は行かないといけないなって思ってたんで行ったんです。
荒川  マイちゃんもニューヨーク行ってたんだよね?
マイ  行きました、2年前に。
荒川  それは何旅行で?
マイ  観光です。(笑)1週間くらい。
荒川  僕も21歳くらいの頃行ってたことがあって、同じようにお金貯めて、一回行っとかないとなーって思って行ったんです。でも、そういう語学学校に入って寮に住むっていう知識が全然なかったんで、普通にネットで3週間ドミトリー(1部屋に2段ベッドが3つあるホテル)を予約して…。リミットがあるんで3週間したらホテル探さないといけなくて、新聞を見て、謎の1週間100ドルくらいで泊まれるところに泊まってたりしてたんで、そういう語学学校に入るやり方を当時の僕が知ってたら行ってたなーって思って損した感じですよね。
大橋  そうなんですよ、結構勉強もできて。もう忘れちゃいましたけど。(笑)
荒川  そこでデザインとかグラフィックデザイナーを志したきっかけとかあったんですか?
大橋  そうですね、見るもの全てがカッコイイっていうのはあったんですけど、結局アメリカに行ってるのに日本人に出会ってて、グラフィックのアーティストの人がいて、無名の人だったんですけど、個展みたいなのをやっていて、Tシャツにグラフィックアートで「Live and Die」っていうのを作ってたんですよ。これも実物を今日お見せしたかったんですけど、LiveとDieのスペルが立体になっていて影の部分がLive、白い部分がDieっていうちょっとカッコイイのがあって、結構それは衝撃を受けて…。あとは友達でもグラフィックデザインをやっている人がいて、その人と仲が良かったので、(当時)僕、仕事何しようかなって思っていたんで、その時自分のバンドやソロ活動のwebサイトは自分で作っていたので、じゃあwebデザインやろうって決めたんです。で、帰国後に、中々最初はwebの会社に入れないので看板屋さんとかでデザインやらせてもらって、ちゃんと始まったのはその頃からですかね。
荒川  じゃあいわゆる美大に行ってとかではなく、独学で?
大橋  完全な独学です。
荒川  マイちゃんって学校?
マイ  私も独学派です。
荒川  あ、すごい!へえー。稲葉さんどうですか?デザイナーさんって…。(笑)
MC  音楽をスパッとやめられたんですか?
大橋  いや、ずっとやってました。音楽は33くらいまでずっと続けてました。その頃は完全にソロになってたんですけど、それでもギターをずっと鳴らしたりしてましたね。ある時期には完全にやめたんですけど…。
荒川  それはあのXデーがあってからですね?(笑)これ以上は言えないですけど。
大橋  そうです。(笑)
荒川  マイちゃんも音楽やってたんですよね?
マイ  昔ちょっとだけ。
荒川  僕も昔バンドとかして、デザイナーさんで音楽やってる人って結構多いんですよ。何か関係性とかあるんですかね?表現が音とグラフィックで違いますけど…。
大橋  あると思いますね。
荒川  表現…、一つの手段として音楽があって、グラフィックとかwebとかってある程度知識やツールとかがないと作れない。絵はかけますけど。音楽はギター1本あればできるからまずそこから始まるのかな?って何となく今思って…。
大橋  そうですね、自分の中になる何かを表現したいっていうのがそういう芸術活動になるのかなって思いますね。それで、デザインになると相手がいる、お客さんありきだし。っていうので当時はちょっと違うかなって思ってたんですけど、徐々にそっちの方向に向かっていってましたね。
荒川  お客さんとセッションする感じかなーって、デザインも。自分の独りよがりで路上で「ワー!」ってやっても伝わらないけど、デザインもお客さんとディスカッションしながら、こっちも提案しながら、聞きながらセッションする…みたいな。それが音楽じゃなくてグラフィックになるって感じなのかな?
マイ  いいこといいますね。(笑)
荒川  ほんとに?(笑)じゃあこの辺で一曲いきますか?
マイ  はい、Sonic Youthで「The Empty Page」です。

MC  お聴きいただいたのは、Sonic Youthで「The Empty Page」でした。荒川デザイン・クリエイティブジャム。この番組は新たに人とモノと文化のポータルポイント事業を展開していきます。ロジスティクスカンパニー、株式会社アンノウの提供でお送りしております。この曲は何か選んだ理由があるんですか?
大橋  バンドをやっていた時は、このSonic Youthっていうバンドが大好きで、人生の中で一曲選ぶならこの曲って決めてたぐらい(好き)なものだったんです。で、今回このラジオに出演させていただくのに、自分の持ってるのを振り返ってみたらemptyって入っていたので、これを持ってくるしかないなーって感じでしたね。
荒川  empty繋がりがハンパないですね。ここまで来たら全部に入れないと周りが納得しない感じじゃないですか?新しいプロジェクト初めるとかでも、「empty入ってないけどどうした?」って言われちゃうやつですよね。(笑)
大橋  言われちゃうやつですね。(笑)

荒川  empty designを立ち上げた経緯とかはあるんですか?
大橋  僕は元々独立してやりたいとは思っていたので、印刷会社にいながらそういうのを企みつつやっていて、やっぱりデザインをするってなったら、直接お客さんと話してちゃんと聞かないとできないなって思って、で、自分のちゃんとしたコンセプトを持ってやりたかったんです。それで(独立したん)ですかね。
荒川  印刷屋さんだと、やっぱり営業さんがいてクライアントさんがいて、間に何人も人が挟まると、結構伝わったり伝わらなかったり…なりますよね?「お金の話はつけてくるけどクリエイティブな話は全然つけてきてくれないじゃないか!」とか。
大橋  それで、会社にいるので、やっぱり会社の考え方、そういうものがあるんで自分を全部100%は出せないんですよね。「こうしたほうがいい」って思ってても会社の意向もあるんで、そういうのは窮屈なところだったんで、そこも全部自分でやったほうがお客さんのためになるっていうことがいっぱいあるんで、そういう自由な動きを自分でしたいなって思ってました。
荒川  人によっては、それがあるから働きやすいっていう人もいるとは思うんですよ。
MC  ある程度(会社に)守られてますもんね。
荒川  そうそう、レギュレーションがある程度決まっていて、その中で自分が動ける範囲っていうのが決められてるとやりやすいっていう人もいるし、フィールド自体を自分で最初に決めたほうが納得がいって精度が上がるっていう人もいるし、その辺の差ですよね。いやー、でも中々…。僕はいきなりフリーでやりだしちゃったんで、(会社や組織に)属したことがないんですよ。(笑)属してたっていうだけで個人的にはすごいなーって思っちゃいます。(笑)
大橋  僕は属したくないタイプの人間なので(笑)。
荒川  (笑)それでも属してたわけじゃないですか。すごいと思います。やっぱりストレスとかもある中で。
大橋  しかも、元々、さっきもありましたけど…根がパンクなので、パンクをしたがるんです。(笑)
荒川  でもデザイナーって結構パンクな感じが多いと思うんですよ。新しい視点を提案したりするので、パンク的な精神で動いてるはずなんですよね。癒やしよりかは新しい気づきとか…。「こっちから見るとすごい色だぞ」みたいなのを一番強いパワーで吐き出すわけなんですよ。マイちゃん!マイちゃんはキツネデザインって名前じゃないですか。その辺って、謂れとかあるんですか?
大橋  タヌキじゃない理由…。(笑)
荒川  キツネが夢枕に立ってコンコン…みたいな話が…。
マイ  えー、まぁそれに近いんですけど…。
荒川  え!?うそ!?
マイ  うそです。(笑)
一同  (笑)
マイ  (キツネデザインの由来は)「星の王子様」っていうお話を皆さんご存知かと思うんですが、キツネさんが有名なセリフで「大切なものは目に見えない」って言うんですよ。その言葉が、その時の私にすごく刺さったのでキツネは私にとって人生の中でマストなんですよ。なのでキツネデザインにしました。
荒川  なんかロマンチック、かわいい。
大橋  「大切なものは目に見えない」…空っぽなんですね。
荒川  emptyにつなげましたね、そこ。(笑)
一同  (笑)
荒川  すごい!意外な共通項がありましたね。で、もちろんデザインもやられてるんですけど、結構アート系の造詣が深いじゃないですか。で、この前も大橋くんと話をしていて、詩のアートをやっている人の話をしたと思うんですけど…。
大橋  ウイリアム・バロウズさん。
荒川  知ってますか?
マイ  (知らない)…。
荒川  (笑)僕も初めてその時聞いて知らなかったんで。
大橋  中々知らない人が結構多くて…、でも結構な有名人なはずなんですよ。
荒川  どんなアート活動をされてた人なんですか?
大橋  1940〜50年代くらいの方なんですけど、いわゆるボンボン(お金に困らない人)なんですけど、ドラッグを色々試したみたいな形で有名になった人なんですけど、「あの時代に一番芸術的に遅れていたのが文学だ」って言ってる人でなんです。そこの時代のウイリアム・バロウズと、ジャック・ケルアックとアレン・ギンズバーグ、この3人が代表になってビート・ジェネレーションって言われてるんですよ。「ビート・ジェネレーションは何か?」っていう定義付けがあるわけではなくて、何となくラベルでそう言われてるだけなんですけど…。
荒川  その当時じゃなくて後からついた感じなんですか?
大橋  ジャック・ケルアックの作品で「路上」とかを書いてる時に、ビートっていう言葉があったんですよね。で、胸を打つじゃないけど、思ったまま生きてくみたいな…そういう時代じゃなきゃいけなかったんだと思うんですけど、そういうのがビート・ジェネレーションだったんですよ。で、バロウズはその中でも最年長で、何なら、「変態のカリスマおじさん」みたいな感じだったんです。(苦笑)
荒川  え?(内容は)ラジオでしゃべれますか?
大橋  調べてもらえればわかります(苦笑)。その人が作ってたのが、カップアップっていう手法の文学で、一旦物語みたいなものも作るんです。それを文をバラバラに切っちゃうんですよね。切っちゃって並び替えて新しい文を作る。新しいものを作るんですけど、言ってみたら意味の分からない文章になっちゃうわけなんですよ。ただ、一応その文を選ぶセンスはあるんです。
荒川  あー…なんだろう。何か判断しにくい。(苦笑)意味は通じないわけでしょ?桃太郎で言ったら「いきなり鬼を退治しました」から始まるんですよね?全然分からないですよね。
大橋  僕も最初、その本を読んでみたくて、一冊我慢して読んだんです。(笑)
荒川  そのカットアップされた本があるんですか?
大橋  はい。すごいいっぱい出てるんですよ。で、我慢して読んで読み終わったら、何となくこういう話だったんだ…みたいなサブリミナル、その感覚になったんで、これすごいって思って。(笑)
荒川  えー!(笑)でもそれって読んでみないと分からない感じですよね。
大橋  で、言葉もやっぱり全部、詩みたいになりますね。すごい抽象的というか…。なので、抽象的な言葉、文学みたいな感じです。
MC  それは英語で読まれたんですか?
大橋  いや、英語じゃ読めなかったです。さすがに…。余計に分からなかったですね。翻訳する人も大変ですよね。(笑)
荒川  知ってて理解があったとしても、(文章が)ぶつ切りになってたら、どことどこが切れ目なのか分からないですよね…。
MC  翻訳した人もすごいと思いますけどね。ある意味、意訳じゃないですけど、翻訳した人の意思も入っちゃうのかなって…。
大橋  入りますよね。で、バロウズの作品を翻訳してる人は2人しかいないんですよ。
荒川  この世にバロウズの翻訳をできるのは2人しかいない…。(笑)すごいスキルですね。
大橋  もう一つ、フォールディングっていうのもありますね。「折って」みたいな…。
荒川  え?どういうことですか?
大橋  ページを折ったそのところで文を繋げるんじゃないんですかね?実際に細かいことは分からないんですけど…。
荒川  読んだ後の感覚っていうのは読んでないと分からないんですけど、文学のレベルを上げようってことでそういうことをやったんですか?
大橋  そうですね。それもあるし、結局バロウズっていう人は「現実は一旦録音されたものの再生だ」っていう認識でいたんですって。
一同  へぇ〜。
荒川  そこ!?(苦笑)
大橋  それに反抗して、全部そういう現実から、言葉からぐちゃぐちゃにしたいところがあって…。
荒川  そうか、じゃあ何か今から喋ることも、一回喋ったことをplayしてるだけで…?
大橋  というか、人生自体がもう全部決まってるような感じなんですかね。それを今再生しているだけ。
荒川  それを変えようと思ったら、そういうバグみたいなことを起こさないと、変革が起きないっていう感覚でいいんですかね?
大橋  そう…だと思います。だからやっぱり何かすーごいアートなんですよね。言葉が。
荒川  アートって難解、分かりにくいっていうのがまだまだ先に立っちゃうと思うんですけど、それの最先端みたいな感じですね。(笑)
大橋  だから変態なんですよ。(笑)
荒川  誰もわかんねーよって感じになりますよね。(苦笑)まぁ、デザインも、アートまではいかないんですけど、分かってもらうためにこっちも咀嚼して伝えないといけないことが仕事でもありますけど、それはすごい。それは(大橋くんは)いつごろ読んでたんですか?
大橋  20歳くらいですね。いっぱい本を読んでたんで。やっぱりロックミュージシャンがバロウズを好きなんですよ。そういうところから知っていって、何ならミック・ジャガーとかデビット・ボーイ、パティー・スミスとかその辺の人達もみんな好きで会いに行ったりするんですよね。みんな会いに行ってコラボしてる人達もいますし、それくらい有名な人達が会いに行きたがるおじいちゃんなんですよ。カリスマですよ。
荒川  でも、それでまずやっていこうっていうのもすごいし、本を残せたっていうこともすごいし、中々深い感じですね。一曲いきましょうか?
マイ  では、ボブ・ディランで「BLOWIN’ IN THE WIND」です。

MC  ボブ・ディランで「BLOWIN’ IN THE WIND」でした。荒川デザイン・クリエイティブジャム。この番組は新たに人とモノと文化のポータルポイント事業を展開していきます。ロジスティクスカンパニー、株式会社アンノウの提供でお送りしております。
荒川  ありがとうございます。今夜ははempty designの大橋くんを呼んでお送りしてますけど、毎回僕は曲を選ぶ時、ゲストの方を思って選曲してるんです。ボブ・ディランの超有名な「BLOWIN’ IN THE WIND」なんですけど、和訳された歌詞を読むと「人は何度見上げれば空を見ることができるのだろうか 人は一人いくつ耳を持てば人々が泣くのが聞こえるだろうか あといくつ死を重ねると死にすぎたと気づくだろうか 友よ答えは風の中に吹いている 答えは風の中に吹いているのだ」っていうのが3番目の歌詞なんですけど、もちろんいろんな捉え方がある曲だとは思います。ノーベル文学賞をとられたボブ・ディランですけど、デザインとか言葉とか視覚の表現って、伝えることとか、何か気づきを与えたりする仕事だと思うんですよ。ただ、本質的なところを突き詰めるとちょっと反発されるというか、やりすぎ、そこまでやらなくてもいいよ…みたいな。でも本質的にはこれなんだけど…みたいなのって多分あると思うんですよ。さっきの話で、例えば印刷会社でやろうと思っていてもそこまで出せないとか…。で、大橋くんのデザインワーク見ていると、基本的には妥協なき姿勢でやってるのと、あとは、ちょっと遠くを見てる、先を見てるような…。さっきのバロウズじゃないですけど、一回世の中を一巡した後二巡目…みたいな感覚をデザインワークを見てると思う。このボブ・ディランの曲も、嘆きを歌ってる曲なんですけど、そういう一巡した二巡目だからそういうふうに至るというか、一巡目だともしかしたらもっと希望に満ち溢れてる、まだまだできるよっていう曲になるかもしれないんですけど…。ただ思考が一巡すると、二巡目、三巡目に入ると何も変わらないかもしれないってちょっとネガティブになるかもしれないけど、それを受け入れて生きていくっていうのが実は大切、嘘じゃないっていうのと何となくマッチするかな。と思ってこの曲を選んだんです。
大橋  何か嬉しいです。(笑)そんな感じで評価してもらったことなかったんで。(笑)
荒川  さっきマイちゃんにもデザインとかも見てもらってたんですけど…。そうですか?
マイ  納得しました。
大橋  それでいて、ボブ・ディラン、ビート・ジェネレーションとも絡んでますからね。ありがとうございます。

荒川  今手掛けてる最新のものっていうのはありますか?ここに行ったら見れるよ、とか。デザインワークとか…。
大橋  2つ言わせていただきたいんですけど、1つは、11月1日にオープンした「日光市ふくろうの森手塚登久夫石彫館」っていう記念館。手塚登久夫さんっていう方がふくろうの彫刻をすごくいっぱい作っていて、47点くらいあるって言ってたかな?古民家を改装して、ふくろうの彫刻がたくさんあるところなんですけど、そこのフロアマップとかリーフレット、ポスターとかをやらせていただいて、それが今オープンしてます。オープン時には130人くらい来られたみたいでそこはぜひ行っていただきたいです。それと、今ちょうど手掛けてるのが、「kalabo(カラボ)」っていうビルがあってそこの4階が「poulpe(プルプ)」っていうレストランなんですね。で、5階が屋上なんですけど、そこは夏の間ずっとビアガーデンやってたんですよ。で、そこを秋冬替えたいっていうお話をいただいて、グランピングとかデイキャンプみたいな感じ、泊まれはしないけど、そこでテント張ってご飯を食べれるような遊びを加えてっていうのを今やっていて。
荒川  へぇー、いいですね。街中のビルの屋上でグランピングするって。
大橋  先週とかずーっとやってたんですけど、フロア、板を作って大工仕事ずっとやってました。(笑)それで塗って、グリーンを用意して、テント張って…。テントは今1個なんですけど、もう1個張るかもしれない…。そういうのを楽しめるのを今作ってます。まだちゃんとしたグランドオープンは決まってなくてそのうち告知はするんですけど。
荒川  テントがあると冬でも楽しめる感じですよね。
大橋  ちょっと暖かくするのも工夫してやっていて。
荒川  稲葉さん、お近くなんでkalaboご存知ですか?
MC  僕ね、その話をお店の方から聞きました。夏は確かに提灯が飾ってあって、冬は何かやるんですか?って聞いたら、冬はグランピングやりますって聞いたんですよ。あ!この人(大橋さん)が仕掛けた人なんだって思って。すごいーと思って聞いてました。(笑)
荒川  マイちゃんはkalabo行ったことありますか?poulpeは?
マイ  私行ったことないんですよー。でも行ってみたいです。ミヤラジから近いですよねー。
荒川  すごいヘルシーなランチとか、夜も飲んだり食べたりできますけど…。ランチがグルテンフリーでヘルシーなパスタとか食べれるし、ご飯も雑穀米のご飯なんですけど、キヌアに変えると完全に炭水化物がないランチプレートができる。
マイ  興味ありますね、女子は好きなんじゃないですか?
大橋  そうですね、女子率高いですね。あのビル自体がkalaboって言って健康志向の接骨院、エステ、漢方とかそういうのをやっていて、食の部分がpoulpeなんです。
MC  カラボのロゴデザインとかも大橋さんがされたんですか?
大橋  それは僕じゃないんです。(苦笑)kalaboはウエサワさんっていうデザイナーさんが元々ブランディングはして、HPだけ僕がウエサワさんから依頼されて作って、その後もまた僕がちょっと関わってっていう状態ですね。
荒川  中のツールと言うか、フライヤーとかパンフレットも作ったりされてるんですか?
大橋  作ったものもあります。カラボダイエットのチラシとか…。
荒川  ぜひ行ってみてください。
マイ  はい、行ってみます!

荒川  気づけばもう49分。エンディングになっちゃったんですけど、今日はマイちゃんも告知があるんですよね?
マイ  12月8日、高根沢のロックサイドマーケットっていうすごくおしゃれなマルシェなんですけど、そちらにキツネデザインとして出店します。自分で一つずつ手描きしたプラバン雑貨の販売と、子どもたちに向けてプラバンのワークショップを開催しますので、お時間のある方はぜひ遊びに来てくださーい!
荒川  すごいよね、ロックサイドマーケット。毎年大きくなっていって。今年のマップ見たんですけど、もうブースのスペースがはみ出てて…。(笑)そのうち、街全体でやっちゃうんじゃないかってくらいすごいですよね。
マイ  駅がすごく近いので電車でも来れる。アクセスもすごくいいんでぜひ!
大橋  僕のクライアントのオノコウジさんっていう方も出てますね。
マイ  あ、見ました!
荒川  もうエンディングなんですが、最後に大橋さん感想お願いします。
大橋  楽しかったです。(笑)最初は緊張して喋れるのかなってずっと言ってましたけど、ベラベラしゃべっちゃいました。(笑)
荒川  マイちゃんはどうでしたか?
マイ  楽しかったです。(笑)
荒川  次回の予告をしますね。11月17日(土)午後7時から、「傍らに映画を」お送りします。芸術の秋ということで、「ダ・ヴィンチ・コード」をテーマに脱線しながら色々話をしようかなと思います。今夜も荒川デザイン・クリエイティブジャム第25回をお聴きいただきありがとうございました。稲葉さん、マイちゃん、大橋くんありがとうございました!荒川デザインの荒川サトシでしたー。
一同  ありがとうございましたー!(笑)
MC  荒川デザイン・クリエイティブジャム、この番組は株式会社アンノウの提供でお送りいたしましたー。